初心者の為のA&V豆知識
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【メダカノイズ】

メダカノイズとは、画面全体に、あたかもメダカが泳いでいるかのような見え方がする、横方向に流れる白い線状ノイズの総称です。原因は色々と考えられますが、ヘッドの摩耗と汚れたときにも現れます。再生中、磁気テープに記録されている信号が正常に拾えなくなるため起こります。また、アナログBS放送の受信不良時にも似たようなノイズが現れます。台風や集中豪雨によって、受信感度が下がることが原因です。

【エッジノイズ】

とくにビデオ再生において被写体のエッジ部分『輪郭』に現れるザワザワしたノイズです。メカデッキやテープの走行安定性にも関係していますが、3倍モードなどに隣接するトラックからはみ出してトレースする26ミクロンヘッドではてきめんに現れます。それを防止するため19ミクロン幅のヘッドがよくつかわれています。

【ドロップアウト】

ドロップアウトとはテープ表面の傷、磁性体の不均一又は、ほこり等の付着で一時的に映像信号が低下もしくは、ある部分の信号レベルがゼロになり映像への影響が出ることです。具体的には大きい小さいはありますが、横線として現れます。色は白か黒が多く、小さいものは走査線に沿ってコンマ何秒かの瞬時ですが1本〜数本、横一直線に走ります。最近のデジタルデバイスを使ったデッキは白い線として現れるようです。大きいものは画面の向かって左から右に長い線が綱渡りみたいに現れます。もっと酷いのは、乱れた横線が上から下に移動しながら数秒間にわたり現れます。このドロップアウトはアナログである以上避けることは出来ません。どんな優秀なデッキとテープでも30分走らせて一度も出ないということは、まず無いでしょう10分間で1〜2度は小さいものが走ります。テレビのニュース取材などでベーカムが使われているときに、よく目に付きます。そのときのドロップアウトの出現を確かめて下さい。何百万円もするプロ用機器でもアナログである以上避けられないのです。

【水平解像度】

どれくらい細かいものまで、見ることが出来るかを表す数値です。とくに白黒の楔状の細かいパターンを映して、その限界点が高いほど、解像度も高いといえます。解像度にも種類があります。水平、垂直、斜め、があり最も一般的に言われているものが水平解像度で、垂直線が水平方向に何本見えるかで決まります。NTSCでは、映像の周波数帯域と比較関係にあり、一般的に1MHzあたり80本です。ですから4.2MHzの帯域を持った地上波放送は336本です。BSが4.5MHzで360本、VHSが3MHzで240本、S−VHSが5.4MHzで430本、W−VHSのSDモードとDVが事実上6.5MHzで520本ということになります。

【垂直解像度】

画面の垂直方向のきめ細かさを表します。水平解像度とは違い、テレビの走査線の数で決まります。NTSC方式では走査線数は525本ですが、実際映し出されて見える部分、有効走査線数は486本です。さらに現在フィールド『1/60秒の映像』ごとに飛び越し走査を行っていますので実際の垂直解像度は350本程度になります。飛び越しをせずプログレッシブ方式にすると理論上486本まで再現できます。最近のワイドテレビでプログレッシブを唄っているのがありますが、元の放送方式がプログレッシブではないので本来の高画質は得られません。ハイビジョンも1125本、有効走査線数1032本に対して700〜800本程度にとどまっています。

【解像感】

解像感は解像度のように数値化として表しません。あくまでも試聴する人の感覚で表現します。色が綺麗に出ているかとか、ディテールの再現性とかSNはどうか等、テスト信号で判断するのではなく、実際の動画を見て総合的に判断するものです。ですからモノクロチャートなどでの再現は優秀でも実際の映像では、色ズレがあったり、ノイズが多かったりで主観では高画質とは表現できない場合も少なくはありません。解像度が高くても、必ずしも高画質であるとは言えません。

【S/N】

SNのSはシグナル『信号』、Nはノイズ『雑音』で、シグナル・トゥ・ノイズレシオというのが正式です。信号レベルと雑音レベルをdB「デシベル」で示します。一般的にビデオでは、輝度と色のSNがあり、ビデオSNとも言います。AV機器の性能を評価するときに使う代表的なスペックで単にSNという場合は、輝度SNを指します。SN比の値が高いということは、ノイズが少ないということですが、解像度とSNは反発する関係にあり、解像度を上げていくとSNは悪くなりがちでSNは良いが解像度が低いこともあります。ですからSNの良さだけでも高画質は語れません。

【3次元Y/C分離】

高精度に輝度と色信号を分離をするためのフィルター。従来の簡単なフィルターでは、正確な分離ができず、輪郭部分に出るドット妨害、虹状のクロスカラーが出現し映像の品位を損なっていました。そこで考え出されたのが3次元分離です。フィールドメモリーで画面をメモリーし連続した3枚の画面から相関を検出して高精度の分離をします。でも100%再現できるのは、静止画だけで、動画は2次元処理に切り替えています。静止画寄りに設定すると高度なYC分離が可能ですが、動画では動きボケ、残像等が目立つ。動画寄りに設定すれば動きボケは低減できますが、クロスカラー、ドット妨害も増えるので、各メーカーは、それぞれ小刻みな独自の設定方法を取っています。

【3次元DNR】

時間軸相関を利用したノイズ低減回路です。信号には規則性がありますがノイズは、まちまちで、規則性はありません。その性質の違いを利用してノイズ低減効果を図っています。たとえば10ある情報量の1画面からノイズを取り除くと、どうしても微小信号も同時に失い10が7とか8になり解像度も落ちます。それならということで、同じ場面を2つ合わせて20にしてノイズを取れば結果10以上の再現ができ、元の映像クオリティーを失うことなく、いや元より良い画質で再現できるという魔法の回路です。そう言う意味から3次元マジックとか昔録ったビデオが綺麗に見えたんです。となるわけですね。これも3次元処理できるのは静止画のみで、動画では、前後の信号が変化するため残像が現れるので、動き検出回路を付けて小刻みに判別しています。

【スクイーズ】

16対9のアスペクト比をもったワイド映像を横方向に圧縮して4対3の通常画面におさめたものです。ハイビジョン放送をMNコンバーターでNTSCに変換して見るとき4対3テレビでは、フルモードのとき横方向が圧縮され縦長の映像になってしまいますが、ワイドテレビのフルモードで見ると横方向が1.33倍に拡大され正規のアスペクト比で見れます。

【ダイナミックレンジ】

オーディオでは、音の強弱を示します。小さな音から大きな音までの幅を表したもの。アナログでは、ノイズレベルから飽和して波形が正確に再現できない部分までのレベル差を表したもの。デジタルでは、信号の最大値と量子化によって発生する量子化誤差。ノイズレベルから最大値までの大きさ、幅の広さを表したもの。数値としては、デシベルで表し、数が大きい方が優秀といえます。デジタルでは、ダイナミックレンジはビット数で決まり、だいたい1ビットでダイナミックレンジが6dBなのでCD等の16ビットなら96dBとなります。映像では、明るさの範囲表し、これもデシベルで表します。

【ビットストリーム記録】

ビットストリームとは、デジタル信号のことで、送られてきたデジタル信号のまま記録することをビットストリーム記録といいます。D−VHSがこの方式を採用しています。

【ビデオヘッド素材】

【フェライト】ビデオテープの磁性体に、よく使われる酸化鉄を主成分とした磁気素材。VHS、S−VHSに最もよく使われている素材で耐久性に優れている。【アモルファス】非結晶という意味で結晶状態でない合金を素材にしたもの。色信号の低域から輝度の高域まで特性に優れていて高級機に使われていたが、最近では普及機にも採用されている機種もあります。ギャップ面だけアモルファスを採用したMIG『メタルインギャップ』構造と、アモルファスの薄膜を積み重ねた積層構造の二つがあります。【センダストHDプロヘッド】ビクターがW−VHS用に使ってるメタル系ヘッド。これはヘッドそのものがいくつかの層になっている積層型の高出力ヘッド。

【FEヘッド】

フライングイレースヘッドとは、回転消去ヘッドといい、固定消去ヘッドとは別に、回転ドラムに取り付けられた記録用ヘッドの直ぐ手前に儲けられた消去ヘッドのことです。このヘッドは、1フレームづつ確実にトレースして消すことができます。消しながら書く作業をすることによって、カット編集等のつなぎ録りやインサートがスムーズにできます。固定消去ヘッドだけでは、テープの斜めに記録されている映像信号の消し方が大ざっぱになり、次に記録した映像との間に虹状のノイズが発生してしまいます。

【S端子】

SはSeparateのことで映像信号の輝度信号Yと色信号Cを分離した状態で信号を送るための接続端子です。YとCを別々に伝送することによってクロスカラーやドット妨害が押さえられ解像度も幾分か上がる場合もあります。

【インシュレーター】

外部からの振動を、デッキ本体やメカニズムに伝達させないように、振動を吸収するための、AV機器の足のことです。ゴム素材やコイル、スプリング等で、できていて、特定の周波数の振動を吸収して、音質や映像の劣化を防ぎます。

【シュート】

信号レベルが急激に変わる部分で設定された最終値より高くあるいは低く瞬間的に強調してシャープな映像を作る手法。信号の立ち下がり部、左側を強調するのがプリシュート、逆に立ち上がり部、右側を高く跳ね上げるのがオーバーシュート。これを程良くチューニングすればキリッと輪郭がクッキリして見かけの解像度も上がったかのように見うるのですが、やりすぎると、左右に白いフチが付いてクオリティーを落とします。

【オートキャリブレーション】

これは、カセットデッキなどでは有名ですが、テープへの最適なバイアス等の記録レベルを調整するものです。ビデオでも基本的には同じでテープの性能を判断して記録レベル調整するもので、マイコンを使って、あらかじめ周波数を変えながら記録しベストとなる位置を探しだし記録レベルを最適値に設定できる優れ物です。三菱では、テープシミュレーターというネーミングがついてます。

【ジッター】

ジッターとは、テープの走行ムラによって起きる時間軸のズレから起こる映像の縦線の歪みです。古い伸びたテープや走行系の汚れで滑りが悪くなったり、ヘッド叩きでも起きます。ジッターが多くなると縦線の細かい揺れだけでなく、全体的にユラユラ揺れたり輪郭全体がシャープさを失いザラザラしたとても醜い状態になります。

【スキュー歪み】

ビデオの再生時には、回転ドラムに取り付けられた、2個のヘッドが、交互に記録していて、1フィールド(1/60秒)ずつ切り替えながら、テープ記録しているが、切り替え部分の信号のつなぎ目で、、ヘッドとテープが走行時の振動などで、時間軸変動がおきます。その時に、画面の上部が水平方向に歪むのが、スキュー歪みです。TBC未搭載のデッキで、コマ送りや静止画再生に設定すると、画面上部が歪むのが確認できます。

【色信号と帯域】

映像の色を作り出す信号のことで、色には明るさと色の種類と彩度があります。ビデオやテレビでは、色と輝度は別々に処理されていて、NTSCでは、輝度は輝度信号0〜4.2MHzで扱い色信号は(3.58MHzのサブキャリア)1.5MHzで扱います。ですが、家庭用のビデオデッキS−VHS、Hi8では、NTSC方式の信号を、そのまま記録しているわけではなく、カラーアンダー(低域変換)つまり3.58MHzのサブキャリアを629kHzに低域に変換して記録するやり方を採用している。このやり方は、合理的に帯域を使いますので家庭用ビデオ等には、もってこいですが、従来1.5MHzあった色帯域を0.5MHz以下に制限するため、実際の色再現という意味では問題があります。テレビ放送をビデオで録画したときに、色がにじんだり、ずれたり、濃淡のムラができたりするのは、色の帯域が、3分の1以下になったためです。

【ドット妨害】

ドットとは、点状のノイズのことで、色の境界線に現れます。輝度と色は、ライン相関という隣り合う走査線同士が似てる特質を利用して、くし形フィルターで分離しています。Y/C分離が完全ではない2ライン方式の、くし形フィルターでは、色の輪郭部分に頻繁に、このノイズが出現します。そこで、前後3本の走査線で分離する3ラインロジカルであれば、かなり低減できます。ですが横や斜め方向に発生するのには対応できません。そこでY/C分離を3次元にすることによって、これを解消していますが、機種やメモリーの規模によっては性能は微妙に異なります。

【色ズレと色にじみ】

NTSC方式では輝度信号と同じところに色信号が載せられていますが、本来同じ場所で描くべき輝度信号と色信号が時間的にずれた場合に色ズレが発生します。とくに横ズレが多いとと思いますが、輝度信号より色信号のほうが時間的に早く進むと輪郭の左側に色がズレます。逆に輝度信号より色信号のほうが遅いと右側にズレます。色にじみは、色の輪郭から、にじみ、はみ出ることです。S−VHSやハイエイトのビデオデッキは色帯域が狭いため色の再現性が悪くなります。その為、輪郭から色がはみ出し、にじむ現象が起きます。とくに原色に近い濃い色、赤や青が、よく目立ちます。その他の薄い色も同じように、にじんでいるのですが、目立ちにくいだけです。

【エアチェック】

エアチェックの語源は、出稿したCMが、間違いなく放送されたことを、広告主あるいは広告代理店等が確認する作業のことをエアチェックと謂ったのが本当の意味のようです。この言葉はビデオよりオーディオの世界で頻繁に使われてましたね。FM等の気に入った番組を、まるまま録って好きな音をリアルタイムで聞くだけではなく、あいてる時間に何時でも、その番組が楽しめることでしょうか。その後、家庭用ビデオが普及してラジオ番組を録って聞く如く、好きなテレビ番組を、可能な限り高画質で録って残し、リアルタイムでなくても自分の好きなときに、その時の感動を体感できるという意味で本来、オーディオ分野で使われていた言葉をビデオの世界でも取り入れたのではないでしょうか。

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