昔修理していた時の経験から、ご参考までに・・・(長文にて失礼します。)
トランスやコイルが流れる電流の周波数の逓倍に機械共振しそれ自身や周辺の部品やプリント
基板が振動して音を出すことがあります。
---まあ、早い話が音叉の原理で部品が震えるんです。
周波数は、主に水平偏向周波数15,75KHzの逓倍(1/2オクターブで7.9KHzくらい、1/4オクター
ブで4KHzくらい)なので「キーン」とか「ピー」とか甲高い音で、人により耳障りになります。
垂直偏向系の共振音ですと約60Hzなので「ブー」という音です。
最近のテレビは、電源回路がスイッチング電源なのでここでも数十KHzから数百KHzくらいの周
波数でスイッチングしていて、振動要素を持っています。
モデルにより周波数はまちまちです。電圧制御に周波数の変化を利用している回路もあるので
画面の明るさによって音が変わる場合は電源系も疑う必要があります。
ベルボさんのテレビは明るさによって音が出たり出なかったりとの話ですので、電源系か水平
系かのいずれかの部品が悪さをしているようです。
(高圧電流も明るさによって変化しますのでフライバックトランスをドライブしている水平系
も振動に変化があります)
それから、電源を入れるとテレビ内部は温度上昇しますので、どんな部品でも多かれ少なかれ
熱膨張します。時間の経過とともに音が出たり出なかったりする場合は、熱膨張による部品の
体積変化(すごく少ないものですが・・)が機械振動の共振点変化になり、ある温度帯で最大
共振して音を出す場合もあります。冷えていると音が出て、暖まると直るのは逆に温度膨張すると共振しないほうへずれる場合です。
改善するには震えて音を出す部品を特定して部品交換するとか、固定位置を変えるとか、振動
止めのボンド(RTVゴム系の絶縁ボンド)で共振点をずらすとかになります。前は出ていな
かったが、最近出始めた場合は前のレベルまで改善できると思います。
音が出っぱなしですと、部品を特定しやすいので改善が進めやすいのですが、出たり出なかっ
たりですと、バックカバーを開けただけで出なくなったりして、修理屋泣かせなんです・・・
いずれにしても、高圧や電源系はエネルギーが大きい回路なので素人療法は事故の元です。
プロの修理屋にまかせた方がよろしいと思います。プロに依頼するときは、音が出やすい条件
をうまく伝えないと、「症状が再現しません。様子を見てください。」で片づけられる場合も
あります。オンサイトの訪問修理を依頼してご自身が修理屋に直接訴える方が手っ取り早いよ
うです。 |
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