CDの収録時間が決まった経緯については、森芳久(ソニー技術広報室長)著「カラヤンとデジタル」に、詳しく書かれています。そのことを記したサイトもありますね。
http://www.biwa.ne.jp/~askneoid/orch/freude17.html
>CDの録音時間がコンパクトカセットのC-74に由来するのでは,というお話ですが,CDが出る前のコンパクトカセットは,C-30,C-45,C-60,C-90,C120という長さだったと思いますが,いかがでしょう. C-74というカセットはCDからの録音用に出てきたように思います.
デンスケさんのご指摘のように、C-74はCDが普及してから世に出たものです。カセットテープが発売された当初は、私の記憶ではC−30とC−60だけで、しばらくしてC−90が発売されました。
ところが、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」、ベートーヴェンの第3交響曲「エロイカ」、ベルリオーズの「幻想交響曲」などが50分前後ですので、どうしてもC−90では片面45分で(実際にはテープは2分間ぶんほど多い目に巻かれています)、曲の最後の部分が欠けてしまって、エアチェックをしていてずいぶん悔しい思いをしたものです。テープの残量を見ながら、ハラハラドキドキでしたね。
私の友人などは、LP盤からカセットにコピーする際に、このような曲では少しだけLPの回転数を早めて、C−90の片面ギリギリにうまくおさめていたものです。もちろん少しピッチが上がりますが・・・。まあ、オーケストラによって基本となるAの音が440〜444の差がありますので、乱暴な言い方をすれば、許容範囲といえなくもありませんが。
そんな苦労をしていた時代に、C−120が発売された時は、どれほどうれしかったか・・・。これで、「悲愴」も「幻想交響曲」も入るわけです。ホルストの「惑星」とか、R=コルサコフの「シェエラザード」も曲の最後が切れずに録音できるようになったわけですから。ただ、初期の120分テープはトラブルが多く、どうしてもテープが薄いために、よくピンチローラーに絡まったりしましたね。
C−120でも、マーラーやブルックナーの大曲では片面に収まらなかったので、2台のデッキを用意して、途中の3楽章の切れ目から2台目のデッキを回して、曲が切れないように録音したり、色々苦心したものです。
そんなこともあって、結局、オートリバースのオープンリールデッキ(10号リール)を2台(TEACのX−10RとAKAIのデッキ)を導入してしまったわけですが。
最近のCDでは、74分以上収録されているものも、かなり多いですね。手許にあるものでは、ドホナーニ指揮のブラームスの交響曲3番と4番(計78分49秒)とか、ベルグルンド指揮のシベリウスの交響曲1番と2番(計78分20秒)とか。
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