集合住宅の防音はむずかしいです。本質的な解決のためには、浮き床構造として、その床をベースに壁や天井を組み上げて二重にするルーム・イン・ルーム構造にすることになります。ピアノ練習室なども同様ですね。しかし、これでは大工事になってしまうので一般的には実現が困難だと思います。
音漏れは空気を伝わっていくものより、床や壁の駆体を伝わっていくもののほうが大きいです。特にサブウーファーですね。で、まず、スピーカーと床の間に防振処理を施すのが最も効果が高いです。単に防振ゴムなど挟むのでなく、コンクリート平板のような重くしっかりしたものをスピーカーの下に置き、平板と床の間にゴムを挟むのが効果的です。平板でなくラスクのスピーカーボードなどを使えばさらに理想的です。
壁はスピーカーを置いたコーナーだけでも補強できればよいのですが、マンションではむずかしいかもしれません。不可能なら、厚めのMDFボードなどでコーナーに置くついたて状のものを造って置くのも効果があると思います。こうした防音処理をすることは、スピーカーのセッティングの条件を改善することにもなるので、それほど大音量でなくても、前より満足できるようになる可能性もあります。
空気を伝わる音は、窓、戸などの開口部が弱点になります。二重にできればいいのですが、それが無理なら、窓や戸をピッタリ締めるだけでなく、すき間テープなども併用して、すき間をなるべく空けないようにする、窓の場合はクレセント錠も締めておく、鉛入りの透明シートを貼るなどして防振に努めるなどの改善をしてみましょう。こうした処置は、外からのノイズを防ぐ効果もあるので、そのぶん、ダイナミックレンジが広がり、やはり音量を必要以上に上げずに済む効果があります。
なお、グラスウールなどのいわゆる吸音材は、音漏れを防ぐ効果はあまりありません。
音漏れが最も問題になるのは、真下の階下、両隣でしょうから、そちらのお宅にあいさつしておいて、どの程度、音漏れがしているか、どの程度まで音量を上げると迷惑か、時間帯は? などを確認しておくことも重要だと思います。良好な近隣関係をつくることも大切です。また、「このくらいの音だと近所迷惑かな」などと、気にしながら視聴するのでは、映画を十二分に楽しむことができないですし。 |
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