以前にLapis氏がCMI8738に関する投稿がこの掲示板にありました。
現在、音と映像の〜 の過去ログは参照できません(初心者の質問に入れ替わっています)。
そのとき参考のために、この投稿を印刷していたものが一部ありましたので、これを元に当時のログを起こしました。
内容は当時のもので、現在とは状況が異なる場合があります。
また、印刷されたものから私が入力をしたので、一部誤字などががあるかもしれません。
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[2605] AV用PCサウンドカード紹介 投稿者:Lapis 投稿日:2000/01/02(Sun) 18:33:16
IBM-PCとMS-Windowsをお持ちの方で安価で高音質なサウンドカードをお探しの方に台湾C-MEDIA社製サウンドチップCMI8738をご紹介いたします。
☆★特徴
:fs=44.1/48KHz, 量子化ビット数24bit完全対応のOpticalI/F(TOSLINK角形)実装
:サンプリングレートコンバータ、デジタルミキサ非搭載
:デジタルオーディオ機器としての扱いはプロ用に準じる(これ以上の説明/談義は明るい未来のために勘弁してください(^^; )
:DolbyAC-3出力対応、通常時は2ch専属対応(ハードウェアミキシング非搭載)
:トーンコントロール無し、フロントアナログ出力S/N>80dB
:DAI/DAC/その他全部込みの1チップQFP128pin構成5V単一電源動作、PCIバスマスタ/ACPI/PC98対応
:DirectSound他、Windows系通常のOS,APIに対応(相性も比較的アンチナーバス)
:同チップ搭載カード販売価格は\1500(TOSLINKなしS/PDIFのみ)〜7000(TOSLINK-IF、光ケーブル1本、丁寧な取説付き)と非常にお買い得!(^-^)
☆★個人的レビュー
99年11月から使用していますが、上記のようにデジタル系に妙なプロセス(e.g.SFC/ATT)が介在しないため、”外部44.1/48KHz機器>TOSLINK-IN>HDに録音>TOSLINK-OUT”でPCMバイナリデータが完全に一致します。これは現在の多くの安価なチップ(e.g.E-muK1,YMF7x4)が採用するAC97コーデックに準拠していないからですが、ピュアオーディオファンが欲する”PCをDATのようなデータストレージとして利用する”という目的にぴったりと思います。
理論的に考えてもPCMデータの妙な操作無しで動作すること自体は非常に平易ですが、ゲームに代表される現在のPCを取り巻く環境はより多機能(多ch、サラウンド、fs変換など)を要求するため、このようにシンプルな処理形態を持つチップ/カードは一部の高価(数万円〜数十万円)なマルチトラック録音プロ用にのみ付加されがちでした。
また、これらのカードはその特化された目的故にOSやAPI、ハードウェアなど動作環境を激しく選んだりデバイスドライバがバギーだったりと、一般ユーザの主な使用先であるゲームやマルチメディアを平易に動作させる汎用PCの一部としての完成度は疑問の残るものでした。
安価なグレード内でも、Crystal社チップなどごく一部には外部コーデックの改造で上記のPCMバイナリ一致のインターフェイスを付加することが可能ですが、正直よほどのハードウェアに精通している方でないと作成が不可能という代物でした。そのような状況において今回紹介した"CMI8738"は標準で、つまり全くの無改造でも(PCM的には)完全なオーディオグレードのデジタル出力精度を確保できます。既存のPCのアナログ出力にご不満をお抱きの方は、ぜひMDや外部DACに接続してみてください。値段不相応の高音質で改めてPCの潜在能力に驚かれることと思います。
#PCをAVシステムに接続するための基本条件
:光デジタル接続に限る(個人的オピニオンですが)
:PCMデータを絶対にいじらない(サウンドチップの処理精度などたかがしれてます(x_x) )
:当たり前ですが常用のハードウェア、OS、APIで”安定して”動作すること
#同様の目的においてWindows9xでは主にCanopus社のDA-PortUSBが知られていますが、これはUSBの特性上通常のサウンドカードとして利用するには個人的な感想で言って少々動作が鈍い感があります(私にはちょっと耐えられません(^^; )。また、録音はバイナリ一致で取り込めますが、再生はデジタルミキサーを経由するためバイナリが一致しません。
#特にWindowsNTで動作する安価且つまともなオーディオIFとしてはほぼ唯一と言ってもよいと思います。このチップを見つけるまではそれこそ血眼になってまともなIFを求めて探し回ってました(笑)。
ここからはちょっと込み入った技術的な話になります。
実はこのチップ、値段相応に(^^; デジタル音声出力(TOS,SPDIF)の時間軸精度はあまり高くはないようです。具体的には私有のDAC、DC-61でレベル1精度(+-50ppm)でロックインできません。おそらく通常の民生用機(レベル2:+-1000ppm)には問題ないと思われますが、現状私の技量ではお手上げです。
また、このカードのデジタルIFボードはやはり値段相応に安価な構成ですから、腕に自身のある方は是非手を加えてみてください! 素性が良い子なのでちゃんと応えてくれます。また、Webにてボード配線と各種開発者用スペックがオフィシャル公開されておりますあたりはかなりポイント。”デフォでは出来が悪くてオープンアーキテクチャ”なあたりツボ押さえすぎです〜。腕が鳴りますぜこれは!
私は光カプラを標準の妖しいノーブランドから東芝製高速IF、TOR(T)X178に換装し、この電源にパスコンをつっこんだり14メガのマスタクロック換えたり簡易EMIシールドとして(笑)486CPU用のアルミヒートシンクを8738や他のチップに載っけております。できたらチップの5V電源にスパコン(やはりOSコンかな)入れたり、アナログ出力カップリングキャパ選んだりマスタクロックを少しドリフトさせてみたいですね。
☆★QuickThought:
:音声編集にはCoolEdit2000、多彩な機能と信頼の高精度を共に確保。ちょっと高価なシェアウェアですがこの圧倒的な性能は他に大きく水をあけます。お薦め。
:音声圧縮にはFraunhofer-GesellschaftIIS MPEG-Layer3 Codec Build63、これしかありません。44.1KHz256KbpsでATRACをやっつけます(^^;
:ちゃっかりAccuphase DC-61(DAC...というかデジタルプリ)もお薦め。接続先の出力時間精度にあわせてアーキテクチャを自動切り替え、24bitDAI/20bitデジタルATT/20bit6機パラレルDAC実装で超高価なシグナルジェネレータをダウンサイジング? 現在BS-AmodePCM、fs32KHzをSFCで8738用にアップサンプリングで活躍中。これがないとさくらちゃんの声が録音できません。
:SBlive!のS/PDIFアウトにはアイソレーショントランスが入っています。値段の割にがんばってますね。
☆★長くなったので第一陣はこれでひとまず終了。次回のレポにご期待ください
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一部、リンク、絵文字、省略しました。 |
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