まず、SCMSの件。NHK衛星放送の音声の場合、
BS放送局 >家庭用DAT >家庭用音声専用CDR
ここまで、デジタル接続で録音できます。
ただし、このCD-Rからのデジタル接続録音は、家庭用機器ではできません。
>ところでMDはFs変換と同時にディエンファシスを行う仕様になっていますが、
>CD-Rはどうなのでしょうか。エンファシスはそのままでしょうか。
St.GIGAを最初の音源とした場合、直接CD-Rに焼いた場合にはエンファシスは解除されています。しかし、St.GIGAを一度DATに収録してからダビングしたCD-Rでは、エンファシス設定がそのまま残ります。おそらく、CD-Rデッキが受け取るデジタル音源のカテゴリーコードに応じて処理を変えていると思われます。
#SCMSの動作は、次の4つの要素によって決定づけられます。
1,ステータスビットの2番
S/PDIF登場当時から存在している、
「デジタルコピーの禁止・許可」を伝えるビットです。
2,ステータスビットの8-14番
S/PDIF登場当時から存在している、
「デジタル信号の出力先がどの種類の機器であるか」を伝えるビットです。
カテゴリーコードとも呼ばれます。
3,ステータスビットの15番
SCMS方式の発足に伴い、
「このデジタル信号がオリジナルであるか、それとも
家庭内でデジタル接続ダビングされたものであるか」
を伝えるビットです。
4,SCMS対応録音機による、解釈
BS放送局 >家庭用DAT >家庭用音声専用CDR
この場合、NHK衛星放送の音声は
「デジタルコピー許可・ゼネラルまたはBS・オリジナル」
と設定されています。これを家庭用DATで録音して再生すると、その出力は
「デジタルコピー禁止・DAT・オリジナル」
となります。これを家庭用音声専用CD-Rで録音して再生すると、その出力は
「デジタルコピー禁止・CD・家庭内でデジタル接続ダビングされたもの」
となり、これ以降のデジタル接続録音は、家庭用機器ではできません。
市販のCDソフトを再生すると、その出力は
「デジタルコピー禁止・CD・オリジナル」
となり、これを家庭用音声専用CD-Rで録音して再生すると、その出力は
「デジタルコピー禁止・CD・家庭内でデジタル接続ダビングされたもの」
となり、これ以降のデジタル接続録音は、家庭用機器ではできません。
4番は機器によって1-3番の組み合わせに対する応答が変わる場合があることを意味します。
具体的には、カテゴリーコードに対する解釈が変わります。
衛星放送の音声は1番が「コピー許可」ですが、SCMSでは家庭でのデジタル接続ダビングの世代を制限されます。
これは1番が「コピー許可」であってもカテゴリーコード次第で、SCMS対応録音機の挙動を変えることで行っています。カテゴリーコードが「BS・ゼネラル・ADC」の場合には、1番が「コピー許可」であっても録音世代制限の対象とする動作になっている場合が多いです。 |
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