私は今まで、旅行や出張のお供に、ポケットラジオとしてSONY SRF-SX100RV(93年4月の発売当時、標準価格13,800円、既に生産・販売終了)を携帯していました。AMステレオ・FMステレオ・TV1〜12chが受信可能、主要7大都市プリセット済と、スペック的には現在使用するのに何の問題もありません。
ところが、「最強のポケットラジオ」と呼ばれていたSX100RVも発売終了から既に数年が過ぎ、修理部品の在庫が次第にあやしくなってきているのと、先日のヘッドホン修理の際にサービスマンが新たに内部の不具合を発生させてしまう(再修理)など、今後はいつまでも修理に頼っていられる状態でもないことから、SX100RVに代わる次期主力機種の選定作業に入る事になりました。
現行のSONYラジオカタログを見ますと、「TV/FM/AMの3バンド・ボタン一発選局・ステレオ受信・ヘッドホン巻取り」という条件でSRF-R800Vが、一応の後継機種ということになっています。AM受信がモノラルという点は妥協して、購入しました。局名表示・全国の放送局記憶など、機能的に進化した部分もありました。ホテルの部屋でヘッドホンなしで聞きたいと思う事が過去にありましたから、スピーカー内蔵はそれなりに重宝するでしょう。
と、ところが…数日使っているうちに、SRF-R800Vの欠点があらわになりました。
・ボタン配置が不自然で押しにくい
ノイズカットスイッチが本体横にあり、押しにくい。そのくせ設定キーが前面にあり、これまた押しにくい。更にホールドスイッチも本体横にあり、操作しにくい。誰だこんなキー配置にしたのは、設計者を出せ〜状態(泣)
・勝手にモノラルに落ちてしまう
FMステレオ受信時、ノイズが増えると自動的にモノラルに落ちてしまう。そりゃモノラルにすればノイズが減るのは当たり前だけど、移動中は受信状態も刻々と変わるので、ノイズの増減と共にステレオとモノラルの間を行ったり来たり…。おかげで聴き辛いったらありゃしない。ノイズ対策としては、SX100RVのようにステレオ受信のままで自動的に高域カットするだけで良かったのでは?
・音質が悪い
電池寿命を長時間化するために、ヘッドホン出力を落としたらしい。それに加えて、小型化の影響で本体内蔵ヘッドホンの質も落ちている。おかげで音質が低下していて、ちょっと音量を上げただけで歪む。
・一発選局ボタンが押しにくい
致命傷がこれ。本体に付属するソフトケースを装着すると、なんと本体上面の一発選局ボタンが全部透明ビニールで覆われて、どのボタンを押したのか手触りで判別出来なくなってしまう。電車内で使うのにどのボタンを押したのか分からず、非常に不便。店頭の展示ではソフトケースに入っていない場合がほとんどなので、店頭の展示品を見ただけでは分からないが、実使用上で最大の問題点。
結局、SRF-R800Vは数日使用しただけで使わなくなり、改めてモノラル機のICF-R700Vを購入しました。すると、欠点がいくつか解消されてしまいました。音質は妥協するとしても、ボタン配置はまともな設計に戻っているし、一発選局ボタンがソフトケースで隠れる事もありません。モノラル機(ICF-R700V)はステレオ機(SRF-R800V)よりまっとうな作り方をされています。こりゃモノラル機が本命でステレオ機はオマケですね。 |