>>> 三菱VHSハイファイHV-H11 |
近頃のVHSハイファイビデオデッキは実売で2万円を切るのは当たり前になってきました。本機も例外ではなく、17800円という激安とも取れる価格で販売されています。一昔前までVHSハイファイでも10万円前後していたことを思えば凄い時代になったもんだなぁと、しみじみ感じています。デジタル技術の進歩で高度な映像処理が小さなチップに、まとめ込めるようになったのも低価格で生産できるようになったのでしょうか?、それから最近は箱のデザインも派手になりました。とくに、このデッキの箱はよく目立ちます。団地の悪ガキが「さらにきれいになった」と語りかけています。私は、このインパクトの強い絵に惹かれて思わず買ってしまいました。では、その実力たるもの、どの程度まで追い込めているいるのでしょうか、じっくりと性能を見ていきたいと思います。 |
標準画質、チューナーの受信性能、メカの応答性など総合的に見ると価格に見合う、いや、それ以上のパフォーマンスであると思います。VHS全盛期の時代の画質レベルから見ると品位に欠けますが2万円を切るデッキとしては、まあ、文句を言うほどは無い、そこそこ、それなりの絵は見せてくれます。あと2000円は出しても良いかと・・・ネ。 絵の見せ方は色を乗せたり必要以上にシュートを付けたりはしてなく素直指向で解像度も、ほぼ規格どうりなのですが少し気になるところは色ズレが目立つことと、コントラストが足りない点でしょうか、もう少し力強さを出し、ざらつき感を抑えることが出来れば良かったのですが価格からすると無理な注文なのかもしれません。 |
『SQPB』S−VHS簡易再生機能のクオリティーはS/Nが少し気になりますが、自然な再現ができているところは評価したいですね。解像度も280本程度をキープしています。通常解像度をのばすと、ざらつきと映像粒子の荒さが出てきて不自然な絵になります。東芝のS簡易再生などが、これにあたりますが本機は上手くバランスしていると思います。3倍モードはと言いますと三菱らしい不得意な出来で、19ミクロンヘッドを使っているのですから、もうちょっと何とかならなかったのかと言いたいですね。タイムシフトに使うにしてもノイズの量とエッジの崩れは気になり少なからず不快感もこみ上げてくることでしょう。 |
低価格デッキとしては珍しく全面に端子が儲けられています。ちょっとしたダビング等に便利で、これが有るのと無いのとではAVライフが変わってくると言っても過言ではないでしょう。ただCDからダイレクトに録音する場合、音のレベル調整が出来ないため音の強弱が非常に不自然になります。いくら自動調整といっても、これほど酷い強弱は聴いたことがないですね。(音がうねっている)このデッキに録音するときは予めレベルを適正にして送ってやる必要があります。 |
メカデッキの作りは価格に十分見合ったもので簡潔明瞭、簡単、軽い、余分な物は一切ありません。インピーダンスローラー?そんな気の利いた装備はありません。映像に現れる横揺れ、ジッター、色ズレは、このメカの品位が影響していると思われます。もう一つビデオアンプの不出来も大きい。 |
電源部もたいへん可愛く仕上がってます。一枚の基盤の上に一緒にあり、昔作ったトランシーバーのキットみたいな感じがしました。この電源部ではピュアなハイファイ音声は、ほど遠いですし実際良い音ではありません。全体的に細く勢いが無い、低音も不足気味で、まさに特価5800円のラジカセ並といったところです。少々厳しい表現になってしまいましたが価格から見れば致し方ないでしよう。限られたコストの中で試行錯誤をしながら設計されているようです。 |
三菱のデッキは昔からメカ応答性がよく、この低価格機にも、その血統が受け継がれています。2時間テープでの巻き戻し時間は1分弱と早くレンタルビデオを見終わった時に重宝します。 ただし全てにわたってパーフェクトというとそうではなく、このモデルには落とし穴があります。テープの途中巻き状態からの巻き戻しは極端にスピードダウンするときが、よくあり、酷い場合は全く加速せず通常再生時程度の速度しか出ないときが多々あります。はっきり言って、これは欠陥に近いものがあります。 また、未記録部分のところは高速にはなりません。これはテープへのダメージを最小限に抑えるためだと思います。それからサーチ時の速度は速く見たい部分を探しながら早送りするときには便利で、イライラ感はありません。バーノイズの大きさは少し気になります。あと走行音ですが、思ったより小さく東芝やビクターに比べると、かなり優秀です。 |
リモコンや全体的の使い勝手は良く、考えられたプログラムです。といっても高度な機能は無いのですが、必要なものは付いている程度です。リモコンからの予約も簡単で予約画面ボタンを押し、日付、チャンネル、時間、標準、3倍、を選択してわけですが初めてでも迷うことなく行えて、どこかのメーカーのような、やりづらさはありません。このデッキにはGコードも付いていませんが必要性を感じないので不便なことはありません。手動録画も赤い録画ボタンを押すだけでOKです。便利機能としてはCMオートカット、CM早送り、延長スキップ、ボタン式のジョグ&シャトル、あと本体に省エネと称したボタンが付いています。これを押すと待機電流が最小となり時計表示も消えちゃいます。 |
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