ビデオデッキ、本音のインプレ

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一部のマニアには最も興味のある、DVとW-VHS(SD)の比較をしてみました。DHR-1000で録画されたテープを1世代デジタルコピーしたものを、某所から比較の為に入手し、それを手持ちのVX1000で再生しました。

使用した機材:
TV :SONY KW-32HDF9(画質設定:AVプロ DRC:弱)
VTR:DV(録画)SONY DHR-1000(音声16ビットモード)
(再生)SONY DCR-VX1000
W-VHS Victor HR-W5(SDモード,画質:スタンダード YNR,CNR:+-0)
AVセレクター:SONY TA-AV650G(セレクターとして使用)
アンプ:SANSUI AU-α607NRA
ヘッドホン:ゼンハイザー HD600
見かけ上のS/Nを稼ぐ為、夜中に照明を消して真っ暗な中で視聴 音声はアンプ経由のヘッドホンでモニター

使用したテープ
「カードキャプターさくら」3〜4話(右上のBSロゴがないので、比較には最適)

画質比較
DVとW-VHS(SD)の直接対決、最も気になるのは色再現でした。DVとW-VHS(SD)では色相がわずかにずれているようです。どちらが正しいとは言いにくいのですが、W-VHS(SD)では黄色がくすんでいる感じがしました。(例:ケルベロスの色)逆に青の深みはW-VHS(SD)の方が優れている感じです。また、DVでは赤がやや浅い感じがしました。全体に色相が回っているのでしょう。パッと見には、DVは色が明るめ、W-VHS(SD)では色が暗めに見えます。色が明るいDVは鮮明に見えますが、そのために色が浅く思える事もあります。W-VHS(SD)の方が色がコッテリしているように見えます。また、生身の人間の肌の色ですが、解説お姉さんの肌の色はW-VHS(SD)の方がより「日本人的な」黄色人種の肌色が出ていると思いますが、これを「くすんでいる」と言って嫌う人がいるかも知れません。また、色のはみ出しについてですが、DVでは右側に、W-VHS(SD)では左側に色がわずかにはみ出していて、左右の違いこそあるものの色のはみ出しがあるのはどちらも同じでした。DVだから色のはみ出しが存在しないと思っていたのに意外な結果でした。色以外に、輝度系ではどちらもほぼ互角の再現性で、W-VHS(SD)の弱点と言われている暗い部分のS/N(例:オープニングの冒頭)でも画質設定がスタンダードである限り、NRが強めに効いているのでそう気にするほどの事ではありませんでした。確かにDVだとノイズが無いに等しいんですけど、W-VHS(SD)のノイズが特にひどい、といった程の事もありません。

音質比較
ヘッドホンでシビアにモニター試聴してみましたが、DVとW-VHS(SD)間では静かな部分での微小音の再現や、映像側からのカブリの有無でわずかに違いがあったものの、DHR-1000の音声16ビットダイレクトディジタル記録に優るとも劣らない良好な音質をW-VHS(SD)は再現しました。音質としてはまさに良い勝負で、差を見つけるのが難しいくらいでした。ただ微小音の再現では限りなく無音に近づくDVと、わずかにノイズ感の残るW-VHS(SD)、それにW-VHS(SD)では映像側からのカブリが混入してシーンによってはごくわずかにノイズが乗る事がありました。しかし、VHS Hi-Fiの宿命でもあるスイッチングノイズは、確認する事が出来ませんでした。W-VHS(SD)の音質はDVと比較出来る程に品位の高いもので、VHS Hi-Fiのレベルを超越しています。

総合評価
DV対W-VHS(SD)、マニアには非常に興味のある対決でしたが、結論としてはやはりディジタルであるDVにわずかに分があるものの、W-VHS(SD)もなかなか捨てたものではない、という事になりました。色の再現性ではかなりの違いが出ますが、好みの問題もあるでしょう。また、DVでも色のはみ出しがあるのはショックで、これはDVエアチェックの品位が思った程良くない事を意味しています。ディジタルだから色のはみ出しの処理も完璧だと思っていたのですが…。音声についてですが、HR-W5内蔵チューナーが採用しているインターキャリア方式の弱点が露呈する場合がある以外は、DVもW-VHS(SD)も音質的には大差がありませんでした。またDVとW-VHS(SD)の微小レベルでの再現性もヘッドホンでシビアにチェックした場合の話で、スピーカーではまず判別出来ないと思います。Hi-Fi音声のスイッチングノイズが確認出来ない事からもW-VHS(SD)の音質は間違いなくアナログ記録の最高レベルであると私は思います。

最近でこそWV-D9000などの廉価なDVデッキがありますし、今後も次第にDVデッキは安くなってW-VHS(SD)のデッキ価格での優位性は薄れてしまうと思いますが、テープのコストパフォーマンス(W-VHS(SD)はDVの3分の1のコストで済む)を考えると、W-VHS(SD)は「考慮しても良い一つの選択肢」であると私は思います。
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(マニア君)
こんばんわ。あい様。レポート大変興味深く読ませて頂きました。お疲れさまでした。私はW−VHSデッキを所有していませんので、W−VHSについては書けません。ただ、DVの再生に関してはVX1000とDHR1000とでは大きな差があります。デジタルデッキの性能は、D/Aの回路の品質によって大きく左右されます。私の場合はDSR−30なのですが、同じDVテープでも民生のカメラを再生に使用するのと、DSR−30で再生するのとでは大きな差があり、これは同一のテープでは無いのでは?と思う程です。仕事の関係で、DSR85等で再生する絵を見る事もありますが、、、これはこれで、家でのDSR−30で再生した「絵」とはまたまた完全なる差を確認できる程に違います。DSR85は200万円近いデッキですので、W5と比較するのは酷ですが、この比較、やはり、DHR1000との直接比較がよろしいかと思います。色々書きましたが、批評ではなくご提案ですので、ご理解下さいます様、お願い申しあげます。では。 98/12/21 00:12:34
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(ひろみっく)
えーっとですね、DVの音声記録をデジタルと書かれているところを見るとDHR−1000の内蔵BSチューナーを使用されての比較だと思います。つまり、同一チューナーでないのでちょっと比較するのに無理があるのではないかと思います。チューナーの性能の比較にはなっていると思いますが。色にじみについてはY/Cディレイである程度追い込めるので、どんなものでしょうか。それから、沢山指摘して申し訳ないのですが、音声の比較は高耐入力のヘッドホンで可能な限りの大音量でやってみることが必要だと私は考えています。これでたとえばCDをテストすると、ほぼ全部に近いアニメのCDの録音が良くないという結果が得られて実はショックなんですよね。昔は少なくとも悪くはなくてたまにいいものもあったのに。 98/12/21 06:36:04
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(Murder.)
 あいさんが所有される機材でのテスト。大変面白く読ませていただきました。みなさんご指摘ですが、「機種による差」というのはDVだろうがS-VHSだろうが、はたまたW-VHSだろうがありますので、「VX1000再生」と「W5」再生の比較でも、素晴らしく為になる「資料」となり得ると思います。あいさん、どうも有り難う御座いました。お疲れさまです。  大音量でも小音量でも、音質の比較はもちろん可能ですし、比較試聴の観念からは外れていないと思います。私の場合、「機械」の試聴をするときは「スピーカー」で。ソースの比較視聴をするときは「ヘッドホン」を利用する場合が多いのですが、それはその人それぞれ「慣れ」でいいと思われます。そして根本は、現在あいさんの環境で行える「比較視聴」ですから、”無理がある”という意見はどうかと・・・思いますよ。 98/12/21 12:02:40
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(あい)
そうですね、チューナーがDHR-1000とHR-W5で違いますから、厳密に言えばあまりフェアな比較ではありませんね。しかし、実際にエアチェックする環境を考えますと、(特にBSの場合は)ビデオ内蔵のチューナーでエアチェックするのが普通だと思いますし(ましてDHR-1000ならBSエアチェックは音声がディジタルダイレクト記録の出来る内蔵チューナー必須でしょう)、比較の為でもなければ、わざわざ外部チューナーからのエアチェックはやらないと思いますので、このテストでも許容範囲だと私は思います。それから、D/Aコンバータの差でDCR-VX1000は分が悪いという事ですが、それは確かにその通りなのでしょう…けれど、かと言ってDSR-30やDSR-85を購入してチェックするわけにもいきません。それに、DCR-VX1000の画がDVの再生画としてはあまり質の良くない物だと仮定しても、それでもHR-W5に決定的に負けているというわけではありませんから、これで良いのではないでしょうか。あくまでも手持ちの機材での比較という事でお許し願います。音質のチェックですが、HD600を使用している事でかなりシビアにチェックしていると思っています。音量も決して小さいとは言えない音量です。ヘッドホンにこれ以上の精度を望むなら、STAXのシステムを引っぱり出すしかないでしょう。なお、DCR-VX1000のヘッドホン端子からのチェックではHD600では音が割れるので、VX1000内蔵のヘッドホンアンプが使い物にならない事は既に判明しています。 98/12/21 12:39:13
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(ひろみっく)
相対比較としては十分意味があると思います。絶対比較ではないわけなので、フェアでないという指摘になったまででして。音量についても確かにその通りですが、ここはテストであって楽しむわけではないので、たとえばアンプのボリュームをフルにしたり絞ったりするとか、シビアなこともやったほうがいいのではないかー、という老婆心までです。たとえば、DHR−1000の内蔵チューナーで地上波を記録するとダイレクトにデジタルになりますが、ゴーストはついてくる。私は天秤にかけて、外部入力を主体とする方針を続けています。せっかく比較するなら、単体のBSなり地上波のチューナーでそれぞれの録画をしてみたほうがはっきりすると思うのですよね。それと、これはみなさん少し気付いていることでしょうがBSで放送しているさくらは色がおかしかったり色色でどうも比較視聴するのには無理があるかもしれません。LDを売るためにいじわるー、なのかと思ってしまうくらいにですから。ノンスクランブルでもありますし、アニメであればビバップとかのほうが適当かと思いますー。また是非色色やってみてください。思い掛けない組み合わせがベストかもしれないですし。映像と音声を別のものからとってもいいわけだし。 98/12/21 18:16:37
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(Murder.)
 うーん・・・別に「楽しめ」と書いた覚えはありません。大音量じゃないと出来ない、解らない試聴は疑問だと。テストですよね?余計です。通常の音量で比較できなければ小音量だろうが大音量だろうが一緒です。通常に「シビア」に比較視聴すればよいと。エエ  今回のテストって、「DV」と「W-VHS」なんですよね?別に「カードチャプターサクラ」というアニメ(申し訳ないですが見たことありません)の試聴ではないのですから。  とりあえずいいきっかけかなと思ってます。私もDVに関しては使い込んできてますので(ほんといいですねぇDVは)もっと知るためにも使って上げたいなと。ただW-VHSは・・・私ビクター嫌いじゃないですか?(笑)ですのでつい「ど、どうせ・・・」って思っちゃうんですよね。いけませんねぇー 98/12/21 19:02:53
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(えるあん)
ひろみっく さんに横槍失礼します☆ 私も、普通の音量で十分だと思います。聴くときの音量で確かめないと、何とも言えないってのもあるでしょうし…。ちなみに、アニメのCDに関しては、そう悪いものばかりでもないと思います。キン○とかVA○とかは聴くに耐えないものが多いですが、Victorやポニキャは良いものもあるかと。具体的には、COWBOY BEBOPやBrainPoweredのサントラ、それにクリスタニアのイメージアルバム辺りは、聴いて損はないと思います。レンタルで聴いてみられては如何でしょう? 98/12/22 00:00:10
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(マニア君)
すみませんでした。ちょっと無茶を申しました。私たちはプロの評論家ではありませんので、現在所有している機材で比較する事は当然ですネ。実際、私もそうでした。(笑)私自身、当初VX1000等で再生していたので、DSR−30を買って再生した「絵」を見てビックリした事が強烈に記憶にあり、、つい、、書いてしまいました。お許しを。では。 98/12/22 08:35:40
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(ひろみっく)
大音量でけで視聴するというわけではなくて、色色なやりかたを一通り確認しながらやってみたほうがベターだというつもりで書いたのですが。「通常の視聴の音量」というのも人によってかなり違いがありそうですし、難しいところですが統一をはかるのはそう簡単なことではいかないと思います。大音量での比較に何を求めているのかというと、まずそのソースがそういう使い方に足りるだけのヒスノイズや微少音がどのように聞こえるのか、というまずソースのテストはあっていいと思います。フルボリューム近くまで割れないヘッドホンはモニタ用としてありますから、大きくする時はこれがいいかと。で、自分の通常の視聴音はまたそれとは別に試して比較するのがいいと思うのですよね。逆に音量を下げたテストも必要でしょうし。深夜とかにも見るでしょうから。 98/12/23 13:01:50


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