ビデオデッキ、本音のインプレ |
迷いに迷った末、ビクターHR-DVS1ではなくソニーWV-D700を買ってしまいました。 大阪日本橋実売価格で5万円も違いました。もう一つの決めては本体の操作ボタンです。 リモコンがないとつなぎ録りもタイマー予約もできないDVS1は困ります。 DVS1の3DY/Cは魅力的だったのですが、残像などの副作用があることと、 D700でも規格の違いによる高画質が十分望めると判断しました。 ただのVHSは余計でしたが、S-VHSは既にあるので妥協しました。 さっそく評価です。録画ソースとしてはソニー単体BSチューナーSAT-100GRX で受信した衛星放送を用いました。 画質-動画では劣化はほぼ識別不能!これまでのアナログビデオでは たとえEDW95でも原画との変化をすぐに発見できましたが、DVでは判りません。 強調感の少なさ、テロップ文字の美しさ、濃い色の載った地図でも はみ出し、にじみは皆無、恐ろしい高画質です。 それでもコンサートの終わり、薄暗い画面に情報がつまったシーンでは 細部にJPEG圧縮のような歪みが見えました。 さらに唖然とするのが音です。初期設定だと12Bit音声モードになっているので 16Bitモードに設定しなおしてから録画しました。 一言「DATの音です。」若干高音が強調されるようですが、ビデオのレベルではありません。 ドキュメンタリー番組で砂漠の画面にナレーションが入っているシーン がありましたが、ナレーションをアフレコする際の部屋の広さが判ってしまうために、 映像と音声の違和感が生じます。映像はだだっ広い砂漠なのに、 ナレーションは狭いスタジオで吹き込んだことが判ってしまうのです。 なにげないオープニングの音楽のみせる表情といい、LDの立場が危ういです。 これはSL-2100で「名探偵ホームズ」を録画して以来の体験です。完全にオーディオ機器のレベルです。 アナログビデオで散見される画面の不安定感は全くありません。 それどころか、受信状態の不安定な地上波を録画してみたところ、 生より録画した物のほうが同期が安定し、色も正確に近づきます。 ドロップアウトも、松下の120分標準カセットでは皆無でした。 このように、驚異的な録画性能をもつDV部ですが、さすがに「梅」クラスの 機種である以上、周辺部は貧弱なところがあります。 内蔵くし形フィルターの精度は高くありません。 スペック上はSAT-100GRX内蔵のものと同等なはず(3ラインデジタル)ですが、 WOWOWのカラーバーで比べたところ、明らかに100GRXの方が良好でした。 D700のDV側のくし形フィルターでは、マゼンタとレッド、水色と緑の間に ドット妨害が出ますが、100GRXではマゼンタとレッドの間が若干ちらつくだけです。 VHS側はさらに妥協していて2ラインのCCDくし形フィルターなので、 カラーバーでは上下の色の境目にドット妨害が大量に発生します。 カラーバーの再現性では、さしものDVでも若干変化します。 特に、レッドが少し褪せます。それ以外はほとんど何も変わりません。 ある意味でDV以上に面白かったのがVHS側です。 SLV-RX9でS-VHS録画したカラーバーをD700のVHSで簡易再生すると、 なぜかRX9の自己再生よりも色が正確でした。特に、RX9では レッドが褪せた赤紫(というか青紫)になってしまうのに対し、D700での簡易再生では きちんと赤になります。しかし、D700のVHS自己録再では、 色相は正確なものの、色の境界に大量のエッジノイズが出てしまいます。 解像度は、簡易再生時に標準で270本ほど、3倍では高域にちらつきが出て、 実質250本ほどです。また、3倍の解像度チャートでは反転ノイズが出ます。 実際の動画でも、D700での簡易再生はRX9の自己再生より強調感が少なく、 滑らかな印象です。以外と使えるものです。 逆に言えば、RX9がいかにダメかを証明したようなものですが。 DV側は地上波を録画するには勿体ないような性能です。 逆に言えば無駄の多い放送をDVに録画して編集してもほとんど劣化は無視できるという意味では 「時間を止められる」ことになります。 #ちょうど謀ったように衛星で音楽ものの再放送が続きます。 嬉しいような(テープ代が)怖いような。。。 -------------------------------------------------------- 投稿者TS - 1999/03/15(Mon) WV-D700に関する追加情報です。 まず、空冷ファンはありません。 VHS側で、他機リモコンから操作すればVISSが書き消し出来るかと思い、 試しましたが、ダメでした。(RX9ではできます。) その代わりRX9のリモコンを使うと、リモコンからVHS側のトラッキング調整が出来ます。 >「時間を止められる」=とりあえずDVに録画しておいて、あとでSやHi8に落としても 、 元からSやHi8で録画するのと大差ない、ということです。 -------------------------------------------------------- 投稿者TS - 1999/03/15(Mon) さらに追加です。(笑) ファンがないので熱暴走が懸念されますが、 7時間ほどつけっぱなしにしておいたところ、 かなり天板が熱くはなりますが、動作には問題ありませんでした。 松下みたいな見栄を捨てて、放熱口を多数開けた結果かな? -------------------------------------------------------- 投稿者タッキー - 1999/03/15(Mon) DAT並の音質ですか!これで録音レベル調整が付いていれば、欲しいです。DHR-1000は高すぎます。 投稿者2001:a - 1999/03/15(Mon) 21:20:36 TSさん、興味深いレポートをありがとうございました。先日、ネット通販で\117,500というのを見たので、D700をとりあえずのDVと割り切っても、お買い得かなと考えたりしていたところでした。 録音レベル調整は、NHK-BSの場合はデジタルtoデジタルだから不要なのでしょうか? WOWOWの場合は? 映像のクォリティアップのため、外部VCRなどから入力した場合の音声はどうなるのでしょう? 教えていただければ幸いです。 -------------------------------------------------------- 投稿者TS - 1999/03/15(Mon) >録音レベル調整は、NHK-BSの場合はデジタルtoデジタルだから不要なのでしょうか? WV-D700にはアナログの音声入出力端子と、IEEE1394端子しかありません。 そのため、衛星放送を録画する際には、AD変換を経て録音されます。 AD変換の際に録音レベル調整は必要ですが、D700には調整つまみはありません。 自動レベル調整のみとなります。じつにもったいない構成ですが、それでも器の大きさゆえ、 大半のhi-fiビデオとは次元の異なる音質です。 ちなみに、DHR-1000のみがNHK-BSをデジタルダイレクト録音できるのには理由があります。 BSチューナーのデジタル出力をそのままDVで録音してしまうと、 絵とタイミングが微妙にずれてしまうそうで、 これを補正するにはフィールド単位でのタイミング調整が必要となるからです。 それならNV-DV10000でもできそうなものですが、詳細は不明です。 >WOWOWの場合は? これも、D700にアナログ音声入力しかないため、デコーダーのアナログ音声出力を D700内部でAD変換してから録音することになります。(これは現行DVデッキ全てで同じです) >映像のクォリティアップのため、外部VCRなどから入力した場合の音声はどうなるのでしょう? これも、上記のケースと同様です。原理的には最もロスが多い接続方法となりますが、 それでも結果的には十分高音質です。 結果がよければそれでよし、とするか、原理的に可能なのだからデジタルダイレクト収録したいと 考えるか、それは購入する前にご自身で判断してください。 #これから数日、衛星で音楽物の再放送が相次ぐので、私はそれらをDV収録して 音質を検証する予定です。自動録音レベルの弊害がないか、数日後には明確に回答できるでしょう。 現時点では、まだ十分聞き込んでいないので、ここまでしか分かりません。 -------------------------------------------------------- 投稿者スワロー - 1999/03/15(Mon) 相当良さそうですね。EDマスターのDVスレーブとして使えそう。よだれがでそう。 フォーマットの存続性を考えて仕方なしにS−VHSスレーブでコレクションしていますが、DVに移そうかな。 失礼ですけど、値段はなんぼでしたか? 2001:aさんの調査値117,500って安いですね。これならVHS部は完全な「おまけ」とみてもいいですね(VHSいらないからもっと安くならないかななんて考えていましたけど) でも逆に卸値はいくらなんでしょう? 私の住んでいるところ(信州)では店頭表示の最安値は確か159,800だったかな? とりあえず私はEDV9000の修理費が安く済む事を祈るのみ。 -------------------------------------------------------- 投稿者ほしろう - 1999/03/15(Mon) 私も4月から始まるBSアニメのためにクラクラ来てますが(笑)、う〜ん、毎月買ってるLDやDVDのソフトがあるのでここはじっと我慢かな。(10万ちょいなら手が出そうで怖い^^;;) 投稿者小南 - 1999/03/15(Mon) 23:55:26 あのぉ、「DV-VHSの編集・ダビングが手軽にできる」そうですが、つなぎの部分はどうなりますか? FEヘッドなのですか? -------------------------------------------------------- 投稿者あい - 1999/03/16(Tue) WV-D700評価、非常に興味深く読ませて頂きました。最安値12万円を割ったとなると、もはや普及価格と言えない事もないですね。この世界では10万円を割るあたりから爆発的に普及しますので、ブレイク寸前といったところです。たしかにDVの威力はすさまじい物がありますね。これは私も実感しているところです。放送をほとんどそのまま再現すると言っても良い程のクオリティです。これでテープコストが安くなれば、W-VHS(SD)に勝ち目はないのかなぁ…とも思いますが。(内蔵チューナーの質は別問題として) -------------------------------------------------------- 投稿者TS - 1999/03/16(Tue) >「DV-VHSの編集・ダビングが手軽にできる」そうですが、 >つなぎの部分はどうなりますか?FEヘッドなのですか? WD-V700のVHS側にはFEヘッドはありません。 (ノーマルVHSで録画する気は全くないため) 実際のつなぎ部分がどうなるか試したわけではありませんが、 期待しないほうがよいと思います。 >それでもコンサートの終わり、薄暗い画面に情報がつまったシーンでは >細部にJPEG圧縮のような歪みが見えました。 この画面は再度チェックしたのですが、どうやら原画のリンギングのようです。 サーチから再生にした直後はモザイク状の部分が出ることがありますが、 通常の再生ではそのようなことは経験していません。 具体的には、「反町ライブHIGHLIFE」を試し録画しています。 ED-Betaのように、黒の中の階調が見えることはありませんが、 DVDの用に暗部階調が階段状に省略されることもありませんでした。 カラーバーでの赤の変化ですが、ニュース番組を少し録画して 生放送と瞬時切り替え試聴すると、確かに顔にごくわずか赤みが差しています。 これとて、モニターの差のほうが遥かに大きい程度の差に過ぎません。 弱点はほとんどないのですが、EDのような「凄味」がいまいち感じられません。 単に、アナログビデオの化粧の色気に慣れた目の浄化が足りないだけかもしれませんが。 これでは、VideoBetaさんの「地獄」(4:2:2デジタル)など、見ても判別できないのでは、 と余計な不安を感じています。(目より問題なのはモニタか?まさに地獄ですね。) 音質についてですが、「反町ライブ」を聞き直した結果では、 やはり低音部が軽めなのと、大音量部分で頭打ちとなる傾向がありました。 一般のhi-fiビデオと比べて差がつくのは、音像定位と微弱音です。 音量が小さい→中くらいの時の生々しさはビデオではありません。 投稿者pooh - 1999/03/16(Tue) 13:53:37 いいですね あとはテープコストでしょうね あと VHS なんかいらないから BS チューナー と 3D Y/C をつけて \100,000 にしてほしいですね >> SONY様 -------------------------------------------------------- 投稿者MASA - 1999/03/16(Tue) 私も、pooh さんに一票! さらに、PCM 音声をダイレクトに録音してくれれば、もっとうれしい。 -------------------------------------------------------- 投稿者6no. - 1999/03/16(Tue) TSさん、WV-D700のご購入おめでとうございます。いやー、TSさんのDVフォーマットへの感動がそのまま伝わってくるようですね(^^)。私もDVを手に入れましたときはTSさんと全く同じように大感動しました。やっぱりDVフォーマット第2のアドバンテージである16bit48KHzリニアPCMの威力は甚大です。(因みに第1のアドバンテージは無劣化のディジタルコピーができることだと思っています(^^;)) 画質の安定度も素晴らしく、問題になるディジタル破綻も、さすがに水平解像度500本フルでカメラ撮りしたソースでは曲面鏡状態の手すりや細いビーム光のスクロールで若干の不自然さが見られますけど、TV放送のソースでしたら殆ど破綻はわからないでしょう(TV放送自体のノイズとか歪みとかの方が遙かに気になります)。 |